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第二章 禁断・はぎ香<16>

日記帳をうっかり居間に置いて忘れてしまったとしても絶対に見ないのに。いつか置き忘れた、わたしの日記帳を母は見た。見られて困ることは何もないけれど、それでも読まれたくなかった。読まれたくないのだから読まないで欲しい。ひとの日記を読むなんて最低。いちばんキライなタイプ!と、自分の不注意を棚にあげて?いつまでも母が赦せない。いつまでも赦せないなんて、そんな自分自身も本当はキライなタイプ!と書いて、また細かくする。

窓際に寄って、出掛けて行く光彦の後ろ姿をずっと見つめた。見つめていると光彦は、わたしの部屋の窓を少しだけ振り返って、すぐに角を曲がって行ってしまった。

離れ離れになる日はもう遠くない。もう、わたしだけの光彦ではなくなる。今だって今だって、わたしのものなんかじゃない。兄が妹のものなんて聞かない。でも好き。なぜなぜ?どうかしている?でも好き。ずっとずっと特別。ずっとずっと誰よりも好きだった。誰よりもやさしくて、いつもいつも誰よりも綺麗な目をして見つめ返してくれた。光彦の傍にいると、その時だけ不思議に心の底からかわいい気持ちになれるの。

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