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第二章 禁断・はぎ香<14>

カメラを庭へ持ち出して『はぎ香ちゃん、早くー』と、きれいな声を張り上げて、わたしをちゃん付けで呼ぶのもキモチワルイ。

「イヤよ。この不細工な人が光彦の妹さん?って言われそうだもの。入らない」
「バカね。誰がそんなことを言うの?」
「いつか誰か」
「変な子」
屈託なく華やかに笑う母の横で、光彦は何も言わず、わたしを観ていた。

母は楽しそうに、眩しげに、庭に立つ光彦を五枚六枚と続けて撮った。時には素早く、時には粘ってシャッターを切る母の写真は、なかなか感じの良い撮り方のものが多かったけれど、後では感謝するけれど、撮り始めると長引くの。

「ありがとう。今日はもういいよ。ね、またこの次ー」
と、光彦も母の手からカメラを取り上げて居間に戻ると、わたしの傍に来た。

わたしは知らんぷりの顔で、でも少し甘えていたくて、近付いて来る光彦の細っそりとした爪先を観ていた。
「はぎ香。不細工とかって卑下して言うなんて君らしくないじゃないか。そんなかわいい顔で言うと、かえって嫌味だろ?そういうのって君のキライなタイプだろ?」

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