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第二章 禁断・はぎ香<15>

光彦の明るい声が、かわいいと言ってくれたことに気を良くして見上げたけれど、何か口をきこうとしたけれど、目が合うと声が出なくて、そして、明るい声だった光彦が、そんなわたしを見て、淋しいみたいな目になったと思うと胸が痛んだ。涙ぐみそうになって、わたしは二階へ駆け上がってしまった。何てイヤな子なんだろう。母も光彦もやさしいのに、わたしひとりで二人にひどく意地悪をしている。そう思うと自分でも自分がキライ。妹だから声かけてくれるんだ。恋びとだったら、さよならと言われてしまうよ。でも、わたしだって自分がこんなに暗い人間だとは思わなかったの。どうすればいいのか分からなくて。前みたいにもっと色々いっぱい話したいの。でも、どうしても出来なくて。

…わたし、本当は前みたいに一緒に眠りたい、光彦…

と、紙に書き散らしては、それを机の内蔵シュレッダーにかけて捨てる。

わたしは書いたものを残さない。残したくないの。書くだけ書いて捨てる。残せば母に読まれてしまう。死ぬほどイヤ。わたしが、もし親だったら、たとえ我が子の日記でも絶対読まないのに。

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